プリンセスがなんとなくその文字をなぞると、途端に鏡が歪んでしまいました。
首をかしげながら手を離すと、そこには魔法の杖をこちらに向ける、魔女が映っていました。
魔女は驚いて杖を下ろしましたが、プリンセスは鏡に映る彼女の部屋に釘付けです。
蝋燭が灯る暗い部屋の中には、魔法のアイテムが所狭しと並び、キラキラと輝いていたからです。
プリンセスはお城での生活に退屈していたので、
魔女が持っている魔法のアイテムを欲しがりました。
魔女は魔法のアイテムの代わりに、
プリンセスが持っている宝石や香水が欲しいと言いました。
プリンセスは、自分が身につけていたティアラを鏡に向かって差し出しました。
すると、瞬く間に鏡が歪んで強い光を放ちました。
次に目を開けたとき、ティアラは魔女の手のひらにおちてきました。
不思議なことに、プリンセスが持つティアラとは違う色の宝石が輝いていたのです。
驚いた魔女は、自分もポケットに入っていた魔法のコンパクトを鏡に差し出しました。
赤いハート型のコンパクトは、鏡の中で光りながらきれいなピンク色に変わり、
プリンセスのところへやってきました。
こうして、二人の女の子は今まで見たこともない
新しくてかわいい“ジュエリル”を手に入れることができました。
プリンセスと魔女は、この不思議な鏡を通して、
“かわいい”の魔法がかかった“ジュエリル”を集めることにしたのです。
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